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家族信託のメリット・デメリット

従来の相続対策や後見制度と比べて自由に信託内容を決められるため、さまざまな活用方法があるメリットの多い家族信託。一方でデメリットはあるのでしょうか?ここでは、家族信託のメリット・デメリットについてくわしく解説しています。

家族信託のメリットとは?

メリット1:確実に利益を渡すことができる

委託者や受益者の意思能力が低下しても、受託者は利益を渡すことができます。そのため、障害者や高齢者などを受益者に指定して、定期的に利益を渡すことができるのです。

メリット2:将来の相続まで決めておくことができる

遺言は自分の財産の相続に関してしか指定できませんが、信託なら何十年も先の受益者まで細かく指定できます(死後は妻に相続させる、妻が亡くなったら長男に、長男が亡くなったらその子供に…など)。

メリット3:相続人の他に利益が渡らないよう対策できる

相続人として後妻Aと先妻との実子Bがおり、Aに相続させたいがAの死後はCに財産を渡したい…という場合、遺言だとAへの相続までしか指定できずAの死後はAの兄弟姉妹に財産が渡ります。しかし信託なら、Bを受託者・Aを受益者に指定することで、自分の死後はAを受益者に、Aの死後は信託を終了してBに信託財産を取得させる、ということが可能です。

メリット4:すぐに始められる

委託者・受託者間の合意で契約することができ、受益者の合意は必要ありません。信託契約と同時に効力を持つため、受託者はすぐに財産管理を始められます。

メリット5:確実な贈与が可能

孫に贈与を行って贈与税申告をしても、相続税の税務調査で孫に贈与の受諾がなければ、贈与ではないといった名義財産の疑いをかけられる可能性があります。
しかし信託なら孫(受益者)の受諾がなくとも贈与でき、名義財産の問題なく贈与と説明ができます。

メリット6:財産を守ることができる

財産名義が受託者になるため、委託者が詐欺に遭ったりする心配もなく、財産を守れます。また財産は独立性があり、委託者や受託者が破産したとしても信託された財産は守られます。

ただし、受益者が破産した場合、受益権(利益)は債権者への分配に充てられる点に注意。尚、信託財産自体が債務超過等により破産すると、その信託財産のみ債権者に充てられます。

メリット7:方針変更リスクを避けられる

遺言は取消しが可能ですが、信託は変更や終了が容易に行えません。そのため安心です。

メリット8:遺言書の代わりになる

遺言書は遺産相続などで必要になる重要な書類ですが、遺言書には厳密な作成方法があり、遺言書を作る際にはそれにきちんと従う必要があります。そのため、それが遺言書作成のハードルを上げる原因ともなっています。

しかし、家族信託なら委託者と受託者との契約になるので、遺言書の方式に従う必要はありません。さらに、死後の財産相続においても財産の継承者の指定が問題なくできますので余計なトラブルも避けられるので便利です。

メリット9:財産承継の順位付けができる

遺産相続の際の順位付けが楽になるのも家族信託の大きなメリットです。一般的な相続対策の場合、生前贈与や遺言書を利用することになりますが、生前相続や遺贈をした財産はその次の相続人の指定ができないというデメリットがあります。

しかし、家族信託の場合なら、最初に指定されていた受益者が死亡した場合でも、次の受益者を指定することができるので安心です。

メリット10:倒産隔離機能がある

倒産隔離機能とは、信託財産を委託者の名義ではなく受託者の名義にすることにより、委託者側が倒産しても受託者がその影響を受けないようにする仕組みのことです。また、信託とは、委託者が受託者に対して財産権の移転を行い、財産の管理や処分を行うことです。

家族信託にもこの倒産隔離機能があります。「信託財産に関係しない部分で多額の債務を負ってしまったとしても、信託財産は差押えられない」という定めがあるので、将来的に何らかのトラブルが起こったときの備えとなるのです。

メリット11:教育資金の一括贈与が最大1500万円まで非課税になる

2013年4月から、孫の教育資金が1500万円までなら非課税になるという制度が施行されました。この制度を利用した信託商品は人気となり地方銀行などでもこうした商品を取り扱うようになりました。

ただし、信託銀行の場合は手数料が必要なために「商事信託」とも呼ばれており、利用するには金融庁に登録しなければいけません。対して、家族信託は手数料も必要なく、受取人が孫であるなら資金は自由に使うことができます。

メリット12:相続争いやトラブルを軽減できる

相続争いが軽減できる点は、ある意味家族信託の最大のメリットと言えるかもしれません。例えば、被相続人が遺言書を書いている段階でその配偶者の判断能力がなくなっている場合、被相続人の死後、配偶者の生活費の出処がどうなるかわかりません。

そこで、家族信託によって「自分が亡くなったら受益者は妻に変更する」として名義を変更しておくと、賃貸契約をはじめとするすべての契約に対応可能となります。受益者の変更には、遺言書も遺産分割協議書も必要ありません。

メリット13:二次相続の指定が可能

家族信託は、二次相続を想定した相続対策においても有効な選択肢となります。指定自体は遺言書でも可能なのですが、遺言書で指定できるのはあくまで一次相続の指定のみとなっています。

一次相続の被相続人AがBへの財産相続を希望しているが、Bの相続人であるCへの相続を希望していないという状況では、遺言書ではAの希望は実現しにくくなっています。しかし、家族信託の場合は「連続信託」といって、AはBを受益者として設定し、Bが死亡した際にはCではなくDを受益者にすることができるのです。

家族信託のデメリット(注意点)

上で挙げたようにさまざまな効果が望める信託ですが、注意すべき点もあります。以下に、家族信託の注意ポイントをまとめてみました。

デメリット1:成年後見人のような身上監護機能がない

成年後見人には本人の住居を確保したり、施設への入退所や入院の手続きをしたりといった身上監護義務があります。そして成年後見人は、法定代理人のため本人に代わってこれらの契約を行う権限を持ちます。

しかし、家族信託(民事信託)の受託者は、あくまで財産の管理運用を任された人。そのため身上監護が必要な場合には、別途任意後見契約を締結するのがおすすめです。ちなみに、信託契約の受託者と任意後見契約の後見人は、同一人物がなることはできません。

デメリット2:特別障害者への贈与の優遇は受けられない

特定贈与信託(特別障害者への6,000万円までの贈与の贈与税は非課税)は、要件として、信託会社及び信託業務を営む金融機関が受託者になる必要があります。つまり、家族信託ではこの制度を利用できません。

デメリット3:信頼できる受託者を見極める必要がある

受託者には、財産を任せられるだけの信用がおける人を指定する必要があります。家族間で行える契約のため費用を抑えられますが、第三者に対して説明がつくよう、きちんと公正証書を作成しておくことが望ましいでしょう。

デメリット4:あまりに細かく決めすぎると逆効果の場合も…

あまり将来のことまで細かく決めてしまうと、実際その時になって生活環境や親族関係が考えていた通りではなかった場合、逆に障害となりうる可能性もあるでしょう。

デメリット5:節税効果は期待できない

家族信託に節税効果を期待する人も多いようですが、家族信託には節税効果があるわけではありません。むしろ逆なのです。家族信託では、受益者は財産を取得するわけではありませんが、法的には財産を取得したとみなされます。

そのため、税金の観点から見れば、むしろ負担は大きくなっているものと考えられます。

デメリット7:遺留分侵害のリスクがある

信託では、自分が死亡した際に財産の継承者を選択することができます。この時に、遺留分侵害額請求の対象となる可能性がありますが、一方でそれには当てはまらないとする見解もあるのです。

遺留分の問題は、信託における典型的な問題と言われるくらい起こりやすいトラブルなので、遺留分に配慮しておくことは大切です。なお、2019年7月1日施行の法改正によれば、遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」という名前となります。

自分たちにはどのような制度が向いているのかわからない方は、まず、司法書士など相続問題のプロに相談してみるのがおすすめです。このサイトでは、家族信託の相談を安心してできる司法書士事務所を調査比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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